16時間断食とは、16時間の断食時間と8時間の食事の時間を設定することで、ダイエット効果や健康効果を得るという食事法です。
しかし、16時間断食を実践した人の中には、太ってしまったという人もいます。
なぜ、ダイエット効果を得られるはずの16時間断食で太ってしまうのでしょうか?
16時間断食で太ってしまう原因は、食事制限による「エネルギー不足」や「栄養不足」にあります。
これらの原因を解消するためには、栄養バランスの良い食事と適度な運動が必要です。
本記事では、16時間断食で太ってしまう原因と解決方法について解説します。
解決方法の中でも、栄養バランスの良い食事の考えた方について、詳しく解説しています!
ぜひ、16時間断食中の食事メニューを考える際の参考にしてください。
16時間断食でなぜ太ってしまうのか?

16時間断食で太ってしまう原因は、主に何でしょうか?
大きな原因は以下の3つが挙げられます。
- 筋肉量の低下で代謝が落ちるため
- 断食の解放感からの食べ過ぎ
- 空腹による血糖値の急上昇
16時間断食で太らないようにするためには、原因を理解して、適切に対処することが重要です。
以下で、それぞれの原因について解説します。
筋肉量の低下で代謝が落ちるため
16時間断食は摂取カロリーが減るため、筋肉量が低下します。
食事からの「エネルギー」が不足すると、体はエネルギー生み出すために筋肉を分解するためです。
さらに、筋肉量の低下は、基礎代謝を減少させます。
基礎代謝が減ると、体全体の消費エネルギーが減るので、食べたものがエネルギーとして消費されずに脂肪として体に蓄えられてしまいます。
また、基礎代謝が低下した状態で、16時間断食前の食事量に戻すと、摂取カロリーが消費カロリーを上回るので、「リバウンド」の原因に。
このように、筋肉量が低下すると、代謝が落ちることで、「太りやすい体」になるという結果を招きます。
断食の解放感からの食べ過ぎ
16時間の断食が終わった瞬間に大量に食べてしまうと、太る原因になります。
断食の終了後に食べ過ぎてしまうのは、解放感と飢餓感からくる食事の満足度が高まるためです。
1日の生活で消費できないカロリーを摂取すると、太ってしまいます。
また、摂取する量だけでなく、脂質や糖質が多く含まれる高カロリーな食事も太る原因です。
そのため、食事の量と質を管理し、健康的な食生活を維持することが重要となります。
空腹による血糖値の急上昇
16時間の断食時間が終了した直後に食事をすると、血糖値が急激に上昇する可能性があります。
この血糖値の上昇がインスリンの分泌を促します。
インスリンは、食事からのエネルギーを脂肪として蓄積するホルモンであり、大量に分泌されると、太る原因になります。
さらに、インスリンは血糖値の急降下させる作用もあります。
血糖値の急降下は、血管を傷つけるので、心筋梗塞や脳卒中のリスクも上げてしまいます。
血糖値の急上昇を抑えるためには、断食後の食事の質に注意する必要があります。
食事に、たんぱく質や食物繊維を積極的に摂るようにしましょう。
血糖値の急激な上昇を抑制し、インスリンの分泌を抑えることができます。
このように、16時間断食で太らないためには、運動や食事の管理が重要になります。
後述で、詳しくお伝えしますので、ぜひ、参考にしてください。
16時間断食で太る以外のデメリット

16時間断食のデメリットは太る以外にもあります。
主に、エネルギー不足が原因ですが、16時間の実施を避けた方が良い人もいます。
16時間断食で太る以外のデメリットは以下の通りです。
- 低血糖になりやすい
- 集中力の低下
- 妊娠中の人や基礎疾患がある人には向いていない
それぞれ解説します。
低血糖になりやすい
16時間断食は長時間食事を取らないことにより、低血糖が起こりやすくなります。
血糖は私たちの体がエネルギーを生み出すための重要な源であり、それが低下すると体調不良を引き起こします。
これは特に、食事間隔が長い断食中に顕著で、疲労感、頭痛、めまいなどの症状が出る可能性があります。
さらに、糖尿病のような基礎疾患がある人々には特に危険で、血糖管理が難しくなる可能性があります。
それゆえに、適切な食事のタイミングと栄養バランスが重要となります。
集中力の低下
脳の働きに必要なのは、糖質です。断食で糖質が不足すると、脳が働かなり、集中力が続かなくなります。
集中力の低下は、作業の効率を下げてしまうので、仕事や勉強が進まない原因に。
集中力維持するためには、8時間の食事時間にしっかり栄養を摂ることや16時間断食中に適度な間食をすることを心掛けましょう。
妊娠中の人や基礎疾患がある人には向いていない
妊娠中や基礎疾患のある人々は、16時間の断食に慎重に取り組むべきです。
妊娠中の女性は、母体だけでなく、胎児の健康も考えなければなりません。
断食は栄養素の不足になりやすいため、発育中の胎児に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、基礎疾患のある人々は、断食が病状を悪化させる可能性があるので、危険です。
例えば、糖尿病患者は血糖レベルの管理が重要で、食事の時間や内容を急激に変更すると血糖調整が困難になります。
心臓病や腎臓病など他の慢性疾患を持つ人々も、断食による体調変化に注意が必要です。
そのため、断食を開始する前には、必ず医療専門家と相談し、適切な方法を決定することが重要です。

基本の正しいやり方

16時間断食のやり方は、とてもシンプルです。
1日を16時間の断食時間と8時間の食事時間に分けて生活するというものです。
ただし、ただ単に断食時間を設けるだけでなく、どのように断食を行うかも大切な要素です。
ここでは、16時間断食の基本的な正しいやり方をお伝えします。
以下のやり方を押さえて、16時間断食を適切に行うことで、体調管理や体重管理がより効果的になります。
ライフスタイルに合わせて、断食時間を設定する
16時間断食を行う際には、自分のライフスタイルに合わせて断食時間を設定することが重要です。
ライフスタイルに合わせて、スケジュールを立てることで、16時間断食をストレスなく継続することにつながります。
スケジュール例として、以下の3パターンがあります。
- 朝食抜き
- 昼食抜き
- 夕食抜き
朝はエネルギッシュに過ごしたい人は、夕食を抜くと良いでしょう。
シフト勤務や夜勤などで、夜に活動的になる人は、夕食を摂って、朝食を抜くパターンが適しているかもしれません。
朝食と夕食は摂りたいという人は、昼食を抜いて過ごすのもオススメです。
このように、自分のライフスタイルに合わせて断食のスケジュールを設定することで、16時間断食を長期的に続けることが可能になります。
16時間断食のスケジュールの作り方は、こちらの記事で解説していますので、ぜひ、参考にしてください。

16時間断食中に食べて良いもの
16時間断食の空腹に耐えられない時は、200キロカロリーまでは食べても問題ありません。
ナッツやフルーツなどは、低カロリーで栄養価が高いのでおすすめです。
また、ゆっくり食べることで、満腹中枢も刺激されます。
低カロリーなものを、ゆっくり食べて、16時間断食の空腹を乗り越えましょう。

水分をしっかり摂る
断食中も、水分摂取は非常に重要です。
体の正常な機能を維持するためには、適切な水分補給が必要となります。
特に、16時間の断食中は、食事からの水分摂取がないため、意識的に水分を摂ることが重要です。
水だけでなく、ノンカフェインのお茶やブラックコーヒーも断食中の水分補給に適しています。
糖質が多い飲み物は避け、カロリー摂取は控えるようにしましょう。
適切な水分補給により、脱水症状の予防と体の代謝機能の維持を図ることができます。
16時間断食で太らないためのポイント

16時間断食で太らないためには、食事内容や運動の習慣をつけることがポイントになります。
16時間断食をこれから始める人や16時間断食で太ってしまった人は、以下のポイントをぜひ参考にしてください。
- 栄養バランスの良い食事を心掛ける
- 食事は食べる順番が大事
- よく噛んで食べる
- 低GI食品を積極的に摂る
- 運動で筋肉量を維持
それぞれ解説します。
栄養バランスの良い食事を心掛ける
16時間断食による「エネルギー不足」や「栄養不足」を防ぎ、太らないようにするためには、栄養バランスの良い食事を心掛けることが重要です。
栄養バランスの良い食事とは、五大栄養素をバランスが良く摂取できる食事のことを言います。
以下の栄養素が五大栄養素になります。
- タンパク質
- 脂質
- 炭水化物
- ビタミン
- ミネラル
これらの栄養素をバランス良く摂取するためには、主食・主菜・副菜・汁物を揃えた食事を意識しましょう。
- 主食:主食では、炭水化物を摂取します。ご飯、パン、めん類などの穀物を指します。
- 主菜:タンパク質や脂質を摂取します。肉、魚、大豆、卵などを使ったメニューを指します。
- 副菜:ビタミンやミネラル、食物繊維を摂取します。野菜や海藻類を使ったメニューを指します。
- 汁物:主食、主菜、副菜で摂取できなかった栄養素を汁物で補うことができます。
このように、主食・主菜・副菜・汁物を揃えた食事を心掛けることで、栄養バランスの良い食事を摂ることができます。
特に、16時間断食では、タンパク質が不足しやすいので、主菜にタンパク質を多く含むようにすると良いでしょう。
食事は食べる順番が大事
食事を始める際には、タンパク質や食物繊維が多く含まれる食材から食べることが大事です。
ご飯やパンなどの炭水化物から食べるのは避けましょう。
タンパク質と食物繊維は、他の栄養素に比べて体内での消化に時間がかかります。
これにより、満腹感が長持ちし、食べ過ぎを防ぐことができます。
さらに、この食べ方は、血糖値をコントロールすることもできます。
食物繊維は消化器系をゆっくりと通過するため、食後の血糖値の上昇が緩やかになります。
食事の内容だけでなく、食べる順番も意識して、16時間断食の成功につなげましょう。
よく噛んで食べる
早食いは、満腹中枢を刺激されないので、太る原因になります。
よく噛んで食べると、噛むことで満腹中枢が刺激されるので、適量で満足感を得ることができます。
また、食べ物をしっかりと噛むことで、大きな食物が細かくなり、消化器官の働きが助けられます。
食べ物をよく噛むことは、食べ過ぎ防止や消化器官への負担の軽減につながるので、習慣化しましょう。
低GI食品を積極的に摂る
GI値とは、食品が血糖値にどの程度影響を与えるかを数値で表したものであり、この数値が低いほど、その食品は血糖値の上昇を穏やかにします。
前述でお伝えしたように、血糖値の上昇は、インスリンの分泌を促し、太る原因になります。
そこで、低GI食品を積極的に摂取し、血糖値を安定させることは、太りにくい体づくりにつながります。
低GI食品の例として、以下の食品が挙げられます。
- 大豆食品
- そば
- さつまいも
- きのこ類
- ヨーグルト
- バナナ
- りんご
このように、タンパク質や食物繊維を含む食品が多いです。
低GI食品を食事や間食に取り入れて、16時間断食のデメリットを補って、ダイエットの成功につなげましょう。
運動で筋肉量を維持
筋肉量が多いほど基礎代謝が増加します。
つまり、筋肉量が多ければ多いほど、その人が消費するカロリー量も増え、太りにくい体になります。
筋肉量を増やすために、最も有効なのが適度な筋トレや有酸素運動です。
筋力トレは直接的に筋肉を刺激し、その成長を促します。
一方、有酸素運動は全体的なエネルギー消費を高め、筋肉のエネルギー源である脂肪を燃焼しやすくします。
これらの運動を組み合わせることで、筋肉量を増やし、基礎代謝を高めることができます。
ただし、運動のやり過ぎには注意が必要です。
16時間断食中は、エネルギー不足になりやすいため、倦怠感やめまいなどの体調不良を引き起こすことがあります。
16時間断食の実践中は、自分の体調と相談しながら、適度な運動を心掛けましょう。
まとめ
16時間断食の実践中は、栄養が偏った食事や暴飲暴食を避けましょう。
また、空腹時に糖質を多く含むものを摂取することも禁物です。
栄養バランスの良い食事を心掛け、適度に運動することで、16時間断食の効果をしっかりと得ることができます。
ぜひ、本記事を読んで、16時間断食で太ることなく、健康的に瘦せましょう。